やるだけやった後の手放しと妥協の違い

起こる全ては人生のクリエーション ― 香野晴美 ウェブサイト。メンタルトレーナー・コーチ / エネルギーワーカー / 瞑想家

やるだけやった後の手放しと妥協の違い

人生で忘れられない言葉は、ありますか?

 

私にはいくつかあって。

今でもたまに思い出す言葉があるんです。

 

それは、会社員時代に上司がかけてくれた言葉。

「香野、お前はそれでいいのか?!」

これに副題をつけると、

「やるだけやった後の手放しと妥協の違い」

 

「手放しと妥協の違い」って何?

って言われると、

それは、

ここまでやったって言えば、そうだし、

これは妥協だなと思えば妥協になる。

 

人それぞれ!なのですが、

これにまつわる私のエピソードを

今日はお話したいと思います。

 

このタイトルの言葉を上司に言われた時、

どんな状況だったかと言うと……

 

私はデビュー前の新人バンドを担当していました。

 

彼らを育成してから、

約1年半の月日が

経とうとしていました。

まずデビュー前にメンバーチェンジがあり、

そのメンバーチェンジに伴って

全体コンセプトや、ビジュアルの方向性も変わりました。

 

 

毎日、毎日、私はパワポで企画書を作り、

上司にプレゼンする日々を過ごしていました。

 

そんな中で、ブログに書きましたが、

UVERworld のプロデューサー、

平出さんとデモ楽曲を作ったりしていました。

 

しばらく、私も迷走していましたが、

やっと方向性が見えてきた頃。

 

ビジュアルイメージも固まってきたし、

新メンバーともまとまってきたし、

 

新しく楽曲制作を一緒に作り始めた

プロデューサーのOさんとも二人三脚で、

スタジオで朝まで過ごすことが多くなってきていました。

 

そしていよいよデビューに向けて
楽曲作りに入っていったのですが……

 

出すデモ、

出すデモ、

上司からも

同じ制作部のチームからも

OKが出ません。

 

会議でシングル候補のデモをプレゼンしますが、

 

「ん〜〜〜〜、いいけど、

悪くないね。って感じなんだよな〜」

 

サビのメロディ、歌詞。

いわゆる掴みが弱いと。

 

バンドのメンバーは渾身の思いで作っているし、

もちろんプロデューサーも、私も同じで。

 

何度も、何度も、何度も

 

バンドのメンバーに

デモを作ってきてと言いました。

 

それが私の役目。だけど…

 

もう何度も、何度もデモを制作しては

OKをもらえないバンドメンバーを見て、

私は心が苦しくなっていました。

 

彼らは、もうそろそろ

痺れを切らすのでないだろうか、、、

 

もうこれ以上はできないのでは

ないだろうか、、、

 

もう、精神もギリギリまで

きているのでないだろうか、、、

 

そんなある日、

もう、この曲でシングルに決めたい!!

 

暗黙に、その想いを感じる

プリプロのレコーディングがありました。

(プリプロはテストレコーディングのことです。)

 

その日は上司も来ていて、

出来がった1コーラスのデモを聞いてもらい、

アレンジもその場であれこれ変えてみたり……

 

だけど、この曲もデビュー曲にはならない。

 

はっきり、その場では言われませんでしたが、

みんな、何となくそれを感じました。

 

核心に迫る話はなく、

引き続きレコーディングを

続けることになり、

 

上司は帰る為に

スタジオの外に出ました。

 

プロデューサーとメンバーは

スタジオで作業を始めていましたが、

 

私は上司を追いかけました。

 

そして、

「もう、彼らにこれ以上デモを

作らせるのは、もう苦しい。

彼の精神もギリギリなのを感じている。」

 

ここまで言ったのは覚えています。

 

泣きながら言いました。

今ならわかるのですが、
痺れを切らして、精神がギリギリだったのは、
彼らではない、私でした。

そして、おそらく私は

「今まで作ったデモの中から

デビューできないですか?」

と聞いたかもしれません。

 

 

その時に言われました。

 

「香野、お前はそれでいいのか?」

 

ハッとしました。

 

「はい」って、言えなかったのです。

 

あんなに心苦しく、

もうこれでいいじゃないか、って何度も思ったし

彼らを見るのも、

自分自身の限界も感じていた。

だけど、だけど、だけど、

涙流しながら、もう無理ですって言っても、

 

私の心は、

そう言われた時に

「はい」とは言わなかった。

 

そこを超えたかった。

 

たとえ誰からも反対されても

メンバーと私、

一緒に曲を制作してくれていたプロデューサーのOさんが、

「この曲だ!!!!!!!!!!」

って、納得いくまで、やってみたい。

 

それに気づいたのです。

 

多分、それは、

その楽曲が売れるとか、売れないとかを超えた話

なんです。

 

それまで、OKを出してくれない上司に対して、

何で!って憎く思う時もありましたし、

悔しいと感じた時も多々ありました。

 

だけど、その一言は、

私に衝撃を与えてくれたのです。

 

核心に迫られたとき、人は嘘をつけない。

 

自分に後悔のないように、

やれるだけやりたい。

 

 

ただ、このクリエィブな創作は

ガウディのサグラダ・ファミリアのように

ずっと一生作り続けることができるので、

 

どこかで、一回のストップをかけないと

「これは途中ですので、出せません」となってしまいます。

 

冒頭に書いたように、

この「やるだけやった」は

人それぞれだと思います。

 

納得いくまでやってからじゃないと

出せないって言っていたら、

いつまでも出せない。

 

これは仕事もだし、

今、私が書いているブログもそうですね。

 

私はどうしても完璧なものを

出したくなる。

 

 

だけれども、妥協をしている時の心と

やれるだけやって未完でも出すのとは違う。

 

たまに、思い出すのです。

諦めそうになった時、

「香野、お前はそれでいいのか?」

 

そうしたら、自分には嘘つけない。

本当の声が出てきます。

「やるだけやった後の手放しと妥協の違い」。

 

それに正解なんてないし、

目に見えないから誰にもわからないけど、

自分は知っているものですなんですよね。

今は、あの時の上司に心から感謝しています。

 

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